ご 挨 拶
皆さまには、日頃より萬葉の杜福祉会にご支援、ご協力を賜り、まことにありがとうございます。心から感謝申し上げます。
当法人が20年の歩みを経て、その時代に合った、デザインを描きながら、成長を続けることができましたのは、皆様の、たゆまぬご支援、ご協力のたまものでございます。当法人に関わる皆様には敬意を表すと共に、深く感謝を申し上げます。
当法人は、創始者の山森 孝正 山森 文雄親子が「地域の方々が喜ぶことがしたい」「感動ある人生を送ってもらいたい」そう願い、この朝日丘の地に平成14年 法人運営を開始致しました。
氷見の海・山に見守られ 豊かな自然、優れた景観、静かなたたずまいに、見事に調和したこの土地は、当法人の「その人らしくを大切に」という理念に、誠に相応しい場所でございます。また法人が一つであるために、スタッフは職種を越えて共に学び、法人運営は全職一体で行ってきております。
高齢者介護におきましては、法人設立当初より、制度も環境も様変わりし、ひとりひとりの「生きる」ということが、多様な価値を持つようになりました。一つの色ではなく、カラフルに彩られた おもしろく「生きる」時代が進むにつれ、模範的地域の活動をフィールドにして、さまざまな課題に向きあってきました。
これを普段の業務以外に、万葉健康大学や、地域ふれあい活動など 公益的取り組みとして採用し、人間性を豊かにする重要な機会としてきました。
また、コロナ禍においては、「できないこと」ではなく「できること」にフォーカスし、地域の学校、幼稚園、中国の介護専門家などと、オンライン交流を行い、人と人との心のつながりを止めない活動を継続し、また、県内外の諸先生にはオンラインセミナーを通して、惜しみなく、専門的知識を教授いただいております。
先日、このケアハウス万葉の杜の入居者様でご逝去された方の、言葉を思い出しました。その方は私によく「生きている間は、子供に迷惑をかけたくないがいちゃ。最後がきても子供に迷惑をかけずに逝きたいがいちゃ」とおっしゃっていました。その方にとって、「生きる」ということも、「最後の姿」もどちらも家族への愛情があふれていました。このような方は、多いのではないでしょうか。
当法人のスタッフは食事・排泄、入浴などの介助を行いながら、最も、大切にしている仕事は、利用者様の心に寄り添うことです。「その人らしくを大切に」という法人理念を念頭に置きながら、利用者様の存在を尊敬し、想いを傾聴し、「生きる」ことを大切に願う介護を行っていることで、利用者様・ご家族からは「最初は介護のサービスを受けることに抵抗があったけれども、実際に利用してみると、スタッフによく名前を呼ばれ、何気ない日々の優しい言葉をもらい、今は安心して生活ができるようになった」という声をいただくことが多く、私も、一緒に目頭を熱くすることがございます。
日本は少子高齢化にともない、2025年問題に向けて、人々の健康と福祉について大きな局面を迎えております。
論語で有名な孔子によれば、学問で自立できるのは30歳です。20歳はまだまだ身を立てる途上ということになりますが、この20年を一つの節目とし、今後も、変化しない先人たちの教えを胸に残しつつ、「生きる」ことに寄り添える介護、人々のヘルスリテラシーの向上に貢献する専門的活動・地域貢献に取り組んでまいる所存でこざいます。
皆様には、引き続いてのご指導・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
令和5年6月
理事長 松谷 三和
「その人らしく」を生涯貫き通した
創設者 山森 文雄
「その人らしさ」を大切に